ワクワクすること

感動の甘さをご家庭で!つぼ焼き芋を壺から作ってみる【作り方解説】

みなさん、つぼ焼き芋をご存知でしょうか?

それは文字通り、壺で焼く焼き芋です。

ボクがつぼ焼き芋を知ったきっかけはこちらのWeb記事でした。

すぐ感化される あかまん
すぐ感化される あかまん
壺で焼いた芋…果たしてどんなふうになるのだろうか…、作ってみたい、そして副業で焼き芋屋さんやってみたい。

ボクの好奇心に火が付き(焼き芋だけに)、焼き芋器から自作してみましたので、その方法などを記事にしました。

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つぼ焼きいもって何?

銀座つぼやきいも Instagramより引用

 

つぼ焼き芋は、炭や練炭を熱源として使い壺の中のさつまいもを遠赤外線でじっくり焼き上げて作ります。

現代は石焼き芋が主流ですが、昔はこのつぼ焼き芋が主流だったそうです。

ちなみに、あのセレブの街(だと思っている)銀座につぼ焼き芋屋さんがオープンしております。その名も「銀座つぼやきいも」さん。とてもおしゃれな店構え。

つぼ焼き芋が気になる方はまずコチラで食べてみてはいかがでしょうか。

 

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焼き芋用の壺を自作してみる

つぼ焼き芋を作るには壺が必要です。調べてみたところ業務用は20万円オーバー…。好奇心で買える値段ではありません。

ということでホームセンターにあるものでDIY。なるべく安価につぼ焼き芋器自作することにしました。

先に完成イメージをご覧ください。植木鉢を使ったものです。厳密には壺じゃありませんがご容赦ください。

つぼ焼き芋器材料

  • 深底の素焼き植木鉢(10号)…壺の下部分として使用
  • 浅底の素焼き植木鉢(10号)…壺の上部分として使用
  • 七輪…Amazonで購入
  • ステンレス針金
  • ヒートン(リングタイプの吊り金具)
  • 温度計(300℃まで測れるもの)…Amazonで購入
  • 100均の木のまな板
素焼きの植木鉢と七輪

作成手順

手順1:植木鉢の底をくり抜く

壺の下部分として使用する植木鉢の底を抜く作業です。この作業が一番大変でした。

当初インパクトドライバーにコンクリート削る用のドリルを付けて穴を空けまくってくり抜こうとしましたが、1つの穴を空けるまでに数分…。断念。

摩擦が大きすぎてドリルの先から煙が出てるほど熱くなってしまいました

そこで、ダイヤモンド糸鋸で地道に削る作戦。3時間ぐらいかけて底を抜きました…。

切る系の電気工具がほしい

 

手順2:針金の芋ホルダーを付ける

針金をこねくり回して芋ホルダーを作ります。アルミの針金だと熱で溶けちゃうんじゃないかなと思い、ステンレス針金を使用。

芋がすっぽ抜けないように大きさを調整

吊金具を取り付けてホルダーを取り付けます。

芋が火に近づきすぎないように位置を調整

 

手順3:温度計を取り付け

100均で購入した木のまな板に穴を開けてバーベキュー用温度計を取り付けます。

穴はインパクトドライバーで空けました

 

手順4:七輪と合体

七輪の上に、これまで作ったものをすべて合体させて完成です。

試行錯誤して制作に1日ぐらいかかりました。

余談ですが、この七輪、焼き芋以外にも、ご家庭用で焼き肉したり、焼き鳥したり、お魚焼いたりもできるのでオススメです!

焼き方を研究してみる

焼き芋器ができたら早速焼き方を研究します。

焼き芋が甘くなる仕組み

さつまいもが甘くなる仕組みをお勉強します。簡単に表現するとこんな感じ。

デンプン
↓(加熱)
糊化デンプン
↓(さつまいもに含まれるβアミラーゼ酵素の活性化)
麦芽糖⇒これがさつま芋の甘さの正体

要は、さつま芋のデンプンが酵素によって糖化することで甘くなるんですね。

そして一番大事なポイントは、βアミラーゼが活性化する温度が60~70℃ぐらいであり、それ以上の温度では活性化しないという点です。

つまり、高温で火を通しただけではβアミラーゼが働かないので、さつま芋は甘くなりません。低温で時間をかけてデンプンを糖化する必要があります。

では早速焼いてみましょう。

焼いてみる

今回使用したさつま芋は「紅はるか」。ねっとり甘く焼き上がるのが特徴です。

まずは、アルミホイルでさつま芋を包みます。焼いた際に水分を飛ばし甘さを凝縮させることを目的に端っこを切り落として露出させます。

お勉強をして、さつま芋の温度を60~70℃にする必要があることがわかりました。

では壺の中の温度を60~70℃にすればいいかというと、そいういうわけではなく、壺の大きさや、芋の大きさによって温度調整が必要です。

様々な温度や時間で何度か試行錯誤した結果、150~170℃で2時間焼くことでデンプンを糖化することに成功しました。(200℃では全く甘くなりませんでした)

炭を十分に燃やしてさつま芋をセットします
蓋をして上から炭火を覗くとこんな感じ

焼いている最中は、温度が上がりすぎていないかこまめに確認し、30分ごとぐらいにさつま芋をひっくり返します。

焼き上がってくると、焼き芋特有の甘い匂いが周囲に漂います。

焼き上がりの目安は、手で触った感じブニュッと柔らかくて、皮と身の間にペラっと隙間を感じる感じ(抽象的!)です。

そして…完成!!

糖化に成功して蜜が溢れたつぼ焼き芋がコチラです。

蜜でさつま芋がテラテラに光っております

 

ネットリしているのでスプーンですくっていただきます

 

味は、たださつま芋を焼いただけとは思えぬほどの甘さ。驚きと感動の甘さです。

まるでスイートポテトを食べているような気がしてきます。

コチラのつぼ焼き芋を試しに凍らせて食べてみたところ、ハーゲンダッツのような高級アイスになりました。夏場はアイスつぼ焼き芋、オススメです。

焼き芋屋さんを検討してみる

最後におまけ。仮にこの自作の焼き芋器で小さな焼き芋屋さんを営むと妄想します。

・1度に焼ける最大数:8本
・1本300円で全部売ったとして:8×300=2400円
・ざっくりのさつま芋や炭の仕入れ:600円
——-
・粗利:1800円

・1回焼くのにかかる時間:3時間ぐらい(火起こしから始めて)
時給換算:600円

結論:業務用の壺で一度に大量に焼かないと厳しい


 

事業化には失敗してしまいましたが、一から何かを試行錯誤しながらDIYするのは、とっても楽しかったです。

つぼ焼き芋食べたいよって方はご一報ください、デリバリーしますw

ご覧いただきましてありがとうございました。